トミキチさんインタビュー

JOPT 2023 Tokyo #03

NLH Poker Players Championship Winner

トミキチ選手

トミキチさん、PPC優勝おめでとうございます!簡単に自己紹介をしていただいた後にトーナメント全体を振り返りたいと思います。

今回PPCで優勝させていただきました、トミキチと申します。以前にもインタビューを受けたのですが、その時がちょうど10個目の大型トーナメントのトロフィーを取ったタイミングで、今回が14個目になります。タイトルの数だけで言えば一応国内では上位の方にいるのではないかなと思います。

国内・国外合わせて10個以上のトロフィーを獲得されているとのことで、間違いなく国内上位に入ると思います!ちなみに初優勝はどういった大会だったのでしょうか?

初めて優勝トロフィーを獲ったのは2019年8月のAPPT Manila でした。そこからかなり順調で月1回ペースでマニラで5つトーナメント優勝しまして、そのままの勢いで国内でも年末とその翌月も突き抜けて半年間で大型大会で7つのトロフィーを獲得することができました。

半年でトロフィー7個は凄まじい勢いですね!今年はいかがでしたか?

今年の5月のJOPTでは、ちゃまちゃんに誘われて参加したPLO Tag Teamというトーナメントで優勝することができました。ちょうど、別のトーナメントで飛んでしまってフラフラしていたところ、ちゃまちゃんに「PLO Tag出ちゃいますか!」と誘われて参加したのですが、ちゃまちゃん女神が運をたくさん呼び寄せてくれたおかげで無事勝ち切ることができました。

ちゃまちゃんの初トロフィー獲得に貢献できたのが、とても嬉しかったです!Tag戦はかわいい女の子と一緒に参加できるだけでも嬉しいのにトロフィーまでもらえて嬉しさ2倍以上でした!ww

美女とTag戦に出れるのがめちゃくちゃ羨ましいです!さて、そんなトーナメント鉄強のトミキチさんにPPCを振り返っていただきます!まずは優勝された時のお気持ちを教えてください。

素直にめちゃめちゃ嬉しかったです! Final Tableに行った時、改めて正確なエントリー数を確認しましたが、そこで1519人参加という大規模な大会だったことを実感し「1519エントリーって凄いなぁ〜残り9人かぁ…」とトロフィーがあとちょっとのところまで来てて、めちゃめちゃテンションが上がってました! Final Tableはチップリーダーでスタートしたので「これはちょっと(優勝)あるぞ?!」と思っていたので、優勝できて本当に嬉しかったです。

ただ、全体を通してみるとずっと順調だったわけではなくて、インマネバブル前後と残り2テーブルくらいのときはスタックが少なくて飛びかけていました。インマネ前のバブルの時は8~9bbしか持ってなくて、ハンドforハンド中、JOPTアンバサダーの田口さんがバブバブで飛んで行くのを横目に、次のバブルで飛んでしまうのは自分じゃないか?と思ってずっと耐えてましたが、待った甲斐がありましてKKが入ってダブルアップに成功!一回目のピンチは切り抜けました。

その後アベレージが20BB前後が続いててみんな苦しい状況下の中、長く戦えるストラクチャーでしたので少しずつスタックを増やしていきました。その間一回だけ大きな決死のブラフオールインで相手を降ろしてスタックを増やすことができました。

ブラフオールインしたハンドはどのような流れだったのですか?

残り4~5テーブルの時に、BBでQJoを持っていて、相手のオープンをコール。チェックインザダークをして、フロップはダイヤが3枚落ち、相手のC-Betにコールしてターンはラグ。相手からさらにダブルバレルを打たれましたが、Bet額が小さかったのでフラッシュを警戒していると思い、フラッシュ主張のチェックレイズを返しました。

相手は悩みながらこのチェックレイズをコールしてきて、リバーは4枚目のダイヤが落ちました。

自分はダイヤを持っていなかったのですが、仮にオールインしてコールされてもカバーしているのでまだ戦えるスタックは残るし、相手がフラッシュを警戒していると思っていたので、リバーで、ドンクブラフオールインをしました。

相手がめちゃめちゃ悩んでいたので「ヤバい、コールされるかも?」と思っていたら、J♢を見せて降りてくれました。

降りてもまだ戦えるスタックが残るし、 プライズが大きいトーナメントのFTが近くなっている状況を考えた時、勝負どころはここではないという判断だったと思いますが、その後、彼はスタックを戻してFTまで残っていてさすがだと思いました。

あそこで降りてしっかり生き残れるすごく上手なプレイヤーさんだったからこそ、あそこでのブラフが効いて降りてくれたと思いますし、何よりプライズの大きなトーナメントのあの状況下だからこそできたプレーだったと思います。

相手がどれくらい打てるプレイヤーなのかを見積もる力と、状況に合わせた最適なアクションを実行できる力がすごいですね。

相手の分析を含めてポーカーの楽しみだと思っていますし、そこを怠っていては、さすがに勝ちのこっていけませんから、常に相手がどんなアクションを取っているのか、どんなサイズのベットをしているのかを見ています。

特にロングストラクチャーの長いトーナメントとかは、同卓したプレイヤーさんの分析も大事ですが、相手から自分の印象がどう思われているかもけっこう重要な要素だと思っているので、自分のプレイの印象づけを意識してプレイしたりもします。

分析と印象付けは長い時間掛けないとできないので、テーブルブレイクや移動はちょっと嫌です。今回はそんなにブレイクや移動が少なかったので、そういった運もよかったと思います。

その後は、残り2テーブルの時にかなり絶対絶命に近い状況になりました。カットオフからA7oで17bbのプッシュオールインを仕掛けたところ、BBのテーブルチップリーダーのTTに捕まってしまい、「ヤバっ終わった…」と思いましたが、いざフロップが開いたらダイヤが3枚!

自分はA♢を持っていたので希望が持てる激アツフロップ!ターンで関係ないカードが落ちましたが、「ダイヤ!ダイヤ!」と騒いで呼び込みの甲斐あってリバーでQ♢! 1枚フラッシュでボードに救われて、「首の皮一枚繋がった〜」という感じでピンチを切り抜けました。その後順調にスタックを増やして行き、Final Tableに入る頃にはチップリーダーになっていました。

Final Tableでもかなりラッキーしていて、開始後にすぐにAKsが入りました。ポジションは覚えてないのですが、オープンが入ったので3betしたら隣のセカンドチップリのプレイヤーがオールイン、オープンしたプレイヤーも、それよりちょっと少ないくらいのスタックでオールインしている状況の3way。

相手はセカンドチップリーダーなので、無理にコールせず降りる選択肢もありましたが、コールして負けてもまだ戦えるチップが残る状況だったし、何よりセカンドチップリのチップ量払ってポット獲得が約3倍弱くらいのチップが取れるなら、AKsだし!なんか引ける気がしたので、ここが勝負どころと思いコールしました。

セカンドチップリからはQQがでてきましたが、フロップでKが2枚、ターンはラグでリバーでAが落ちてフルハウス完成。ココで2人ノックアウトして、この1ハンドで全体の60%くらいのチップを持つことができました。

 残り7人、これでほぼ事故らない限りは大丈夫だと思いましたが、その後また2オールインが入りBBで3wayを受ける状況でTTが入っていたのでスタック的にだいぶ余裕があったのでコールしたら、AAとKKがでて来てポットはAAのTeddyy君が獲得し、セカンドチップリに!それでも、まだチップリーダでチップに余裕がある状況でした。

残り6人でSho君がポストでポットをコツコツと獲得し始めたので、実力的にもスタック的にもそのまま野放しにしては後で脅威な存在になると思い、Sho君のスタックを削りにいきました。

 決定的に削れた場面が、Sho君のオープンにBBでT8sでコールしたハンドで、フロップで、フラッシュドローとガットショットドローがついたので、Sho君のC-Betをコール。

ターンで1枚ストレートをツモることができました。さらにSho君の少し大きめのダブルバレルに対して、一応ATがナッツのボードでしたのでコールで止めたところ、リバーでフラッシュまで昇格。

ココでポットに対して4〜50%のドンクベッドを打ちました。Sho君は3分くらい長考して最終的にはコール。マックしたのでハンドは見えなかったけど、あとで教えてもらったらTTを持っていたそうです。ストレートのキーになるTを2枚抑えていたこと、GTO的にギリギリコールできるサイズのベットだったことから、フラッシュがあるかどうかを悩み抜いた上でのコールだったそうです。

ここでSho君から大きくチップを取れたことで、他でチップを持っているのがセカンドチップリーダーのTeddyy君くらいで、脅威になるスタックのプレイヤーがほぼいなくなりました。なのでTeddyy君とは大きくぶつからないように、ヘッズアップまで業務提携結ぼう!って半分本気の半分冗談を言いながら、お互いぶつからないように丁寧に立ち回りました。

FTでは終始チップを多く持った状態で有利に戦えたんですね。ヘッズアップはいかがでしたか?

ヘッズアップは自分のスタックがちょっと多いくらいで始まりました。確か6:4くらいの差だったと思います。序盤で何度かチップを取られてしまい、若干まずいなーと感じていましたが、その後、ストレートを引いて大きくチップが動きました。

 このときはBBでトラッシュハンドだったのですが、Teddyy君の2bbオープンをBBでコール。フロップはローボードで、2bbのC-Betをコール。ターンでストレートが完成したのですが一旦チェックに回したところ、Teddyy君もチェック。

リバーで5が重なり、フルハウスの可能性もあるボードですがこちらからベットしたところ、3倍にレイズを返されました。 スタックはカバーされていまして、オールイン1発でお互い致命打になるスタック差です。お互いに慎重に打っている中での3倍レイズなのでかなり強いハンドを想定しましたが、ターンのアクションがお互いチェック、チェックで回っているのでフルハウスの可能性は薄いだろうと考えレイズも検討しましたが、潜られてたら終わりなのでここは無理せず慎重にコールを選択。 Teddyy君はK5で5のトリップスを持っていました。

このストレートVSトリップスでスタック量が逆転し、オールインに1回負けても耐えられるスタック量を確保することができました。あとは慎重にTeddyy君のスタックを削っていき、2〜3回受けても大丈夫なスタックまで持っていき、最後は彼の75sオールインをA7で受けてAハイで持ち堪えて優勝することができました。

勝っている時はしっかりとチップを取りつつも、相手に合わせて慎重に戦うことで優勝できたのですね。他にもトーナメントで意識しているポイントはありますか?

ヘッズアップの時は、 前回の優勝インタビューの時にも触れましたが、自分は初めて海外大会で優勝したときに、アンティも払えないようなチップ1枚の状況から、オールインで7連勝して優勝した経験をしています。

なので、チップが少しでもあれば勝つチャンスはあるし、逆に相手にも同じチャンスがあることの怖さも知っています。本当に慎重に戦わないと、2回運を拾われただけで簡単に逆転されてしまうので、できるだけ安全策というか、相手に何回かラッキーを引かれても耐えられるスタック差を保てるかを考えつつ、オールインなのかポストでやるのかを考えています。

また、相手のアクションの強さだったり、ハンドとの絡み方次第で、諦めるところは諦める、ということも大事にしています。アグレッションが高い相手の場合は、こちらも対応していかないといけないですが、今回はTeddyy君がかなり慎重にプレーしていたので、こちらも慎重に戦うことができました。

相手のアグレッションの高さに合わせて戦うというお話がありましたが、相手のレベル感やアグレッションをどのように見積もり、どのように対応しているのでしょうか?

アグレッションの高い相手と戦う場合、ボードをみて相手がどういうアクションをしてくるかで対応を考えていますが、ヘッズアップの場合は相手も何も揃っていないことが多いはずなので、ある程度コールする必要があると思います。相手もリスク覚悟で打ってくるので、こちらもある程度リスクをとりますが、できるだけ自分のリスクが少ない状況をつくるように心掛けてはいます。

特に、自分はフロップを見ることがすごく大事だと思っています。ターンとリバーは1枚ずつしか見れないけど、フロップは5枚中3枚を一気に見れますからね。相手が慎重にプレーしていてもアグレッション高くプレーしていても、自分のハンドとの相性がわかる最初の3枚を見てから勝率の高い時にリスクをとるようにしています。

あとは、相手のオープンを何回コールできるチップ量なのかを確認しながら戦うようにしていますね。状況次第では勝負に行くタイミングを早めに持ってきたりしています。

優勝後、何か変わったことはありましたか?

だいたい会う人におめでとうと言われますね。やっぱり大型大会で優勝して一番嬉しいのは、周りにチヤホヤしてもらえるのは素直に嬉しいです。今回のPPCはMain Eventより参加人数も多かったので、まあまあきつい大会で勝ち切れたのは凄く嬉しいし、今後、参加人数が多い大会でも戦える自信がついたのは凄くプラスになりました。

プライズの使い道は決めていますか?

12月のManila Megastackで使う予定です。もう航空券とホテルは確保しました!

マニラの大会に出ることが多いようですが、他の国での大会(WSOPやEPT)に参加する予定はありますか?

WSOPやEPTはフライト時間と旅費がだいぶかかるので、今のところは行く予定はないです。他では韓国の大会に行ったことがありましたけど、日本の人が多くて日本にいるのと変わらない感じがしたのであまり魅力的には感じなかったです。

マニラは飛行機で4〜5時間で行けるし、経費もそんなにかからないので好きです。そこそこの費用で行けて、フライトの時間も短くて、外国感があるところだとマニラがなんかちょうど良いんですよね。

ちなみに、12月のManila Megastackの他にはAPTハノイが候補にありました。周りのポーカー仲間がハノイに行くので自分も誘われましたが「みんながハノイ行くならマニラのほうがいいかな?」と思ってマニラにしました。マニラのほうが慣れてるし、みんなと違うことをするほうが好きなので。でも、ハノイじゃなくて、ダナンだったらビーチリゾート地らしいのでAPTに行ってたかもしれません。1~2泊多くして、ビーチでのんびりしてきてもいいかなーと。(笑)

今後のポーカーに関する目標があればお聞かせください。

1000万円以上のプライズを獲ったコトがないのでそこくらい大きいプライズが獲りたいです。まぁ〜できたら億とか超える夢のあるビックプライズも取ってみたいですけど!

あなたにとってポーカーとは?

人生を豊かにしてくれる生涯の趣味かな?負けると「ポーカーつまんない!引退する!」とか言ってますけど。(笑)全く飽きがこないですし、単純だけど奥が深いですし、やってて楽しいです!

それにポーカーをやっているコトでいろいろな人と交流できますし、それこそ普通に生活してたら普段会えないような方々との出会いも多いし自然と仲良くなれちゃうところもいいですよね。

そこそこの年齢になってから友達ができることってなかなか無いと思うんですけど、ポーカーを通すと不思議と話せるし、楽しく騒げるような友達ができるのは凄い趣味だと思います。

自分こう見えて50歳なので、シニアの部類で人生の折り返し地点はちょっと過ぎている方なので、お金と時間のバランスで言ったら、時間の方が希少価値を高く感じています。あとどのくらいあるかわからない時間の中で、充実した時間を過ごせる趣味としてポーカーと出会えたコトは人生のMAXバリュー獲れてる気がします!

今回、PPCが終わった後に、 FTに残っていた何名かのプレイヤーさんやディーラーさんに「楽しそうにプレイされてて卓の雰囲気が明るくなった」とお礼を言われたのが、なんかけっこう嬉しかったです。

実は、前回の大型大会のときに対戦している女の子に良かれと思って話しかけたら、隣に座っていた彼氏さんに変に絡まれたコトがあって。「よく思われないなら周りに話しかけるのはやめようかな」と思ったこともあったのですが、今回のPPCもついクセで気がついたら同卓しているプレイヤーさんにいろいろ話しかけてました。

なので良く思ってくれる人がいて、ましてやお礼も言ってくれる人もいるのがわかって、ちょっと嬉しくて、オジさん涙腺緩いのでウルウルしちゃいました。

もちろん、ちゃんとポーカーを真剣にやりたい派の人もいますので黙ってポーカーする楽しみもありますが、自分はどちらかと言えば交流も楽しみたい派なので、マニラでも英語は話せないくせにカタコトの単語でどうにか会話してなんとか騒いでます。でも、騒いでると不思議といいカードが引けたりするので、けっこう自分への呼び込みって大事だなと思ってます。(笑)

ポーカーの神様は意外と楽しんでるヤツに味方してくれたりするんですよね!そういったいろいろなコトに感謝しつつ、楽しくポーカー続けて行けたらいいなぁと思っています。

トミキチさんのポーカーに対する想いや、勝つための思考法など、私も非常に勉強になりました!トミキチさん、改めてPPC優勝おめでとうございます!

今回、トミキチさんが週3回通っている六本木のPoker Room UPsさんにお邪魔して、インタビューをさせていただきました!開店準備中に押しかけて場所をお借りしたので、文字通りお邪魔しまくりでしたが、マネージャーのYuさんをはじめ、美男美女スタッフのみなさまに快く受け入れてくださいました!

そんなUPsさんのお店のコンセプトは「上達」です! さまざまなプレイヤーのスキルを上達させようという想いのもと、初心者向けの講習から、中〜上級者向けにみさわさんや、Kuzさん、りゅうたろうさん等、日本を代表する鉄強プレイヤーさん達をゲストに迎えた講習会やハンドレビュー会を定期的に行っているそうです。
全テーブルにRFIDが導入されていて、店内やYouTubeで配信も行われているので、後からプレーを振り返る際にももってこいのお店です!みなさまの上達をサポートしてくれるUPsでプレーして、トミキチさんと同じくらいポーカースキルをUPしちゃいましょう〜!

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今回のインタビューは [ Poker Room UPs ] でさせていただきました!
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