トモユキさんインタビュー

JOPT 2023 Tokyo #03

NLH Platinum Winner

トモユキ選手

トモユキさん、改めてJOPT Platinum 優勝おめでとうございます!トモユキさんといえば、2021年のJOPTでGG150 Bounty / NLH Platinum / NLH 6-max優勝 1Season3冠を達成した、鉄強プレイヤーさんです!今日はインタビューできることを楽しみにしていました!

さて、早速ですがトモユキさんのポーカーに関するこれまでの経歴を振り返りつつ、今回の大会についてお聞きしていきたいと思います! まず、トモユキさんのポーカー歴を教えてください。

今回のJOPT Platinumで優勝しました、トモユキです。ポーカー歴は5年くらいになります。

大型大会に参加して入賞もされていますが、どのようにしてポーカーのレベルを上げていったのでしょうか?

ポーカーを始めたあとは、とあるディーラーと知り合いになって、戦略や賭け方を教えてもらっていました。師匠の教え方が良かったんだと思いますが、ポーカーを初めて1年でJOPTのMain Eventで2位を取ることができました。

その後しばらくは優勝したことが無い状態が続いたのですが、いつか漠然と優勝できると思っていましたね。そうしたら、2021年のJOPTで一気に3つも優勝できて、3冠王になっていました。

3連勝は勢いがすごいですね!では、今回のPlatinumも優勝する意気込みで参加されたのですね!

いや、実はエントリーするつもりは無かったんですよ。(笑) Platinum出る前にはPPCに参加していたのですが、バッドビートで飛んでしまいまして。お酒を飲んでいたところ、ポーカー仲間のGKから「Platinum出ようよ!」と誘われました。

「いや、Platinum優勝の黒いトロフィーはもう持ってるし、同じの2つは要らないから出ないよ!」とか「俺がでたらGKの優勝確率は減るよ!」とか話をしていましたが、結局ムリヤリGKに出させられました。(笑)

参加前の宣言通り、GKさんの優勝を阻止する形になりましたね。(笑)全体を通して印象に残っていることはありますか?

エントリー前も結構飲んでましたし、エントリー後もかなり飲んでたので、ずっと楽しくポーカーできましたね。ポーカー仲間もたくさん参加していたので、どこの卓に移動しても仲間がいて楽しかったです。 

優勝を意識しだしたのはいつ頃でしたか?

バブル前くらいですかね。何位からインマネなのか、優勝したらいくら貰えるのかをバブル前でようやく確認して、「えっ!こんなに貰えるの!?」と思いました。ICMが効き始めた雰囲気もあったので、一気にギアを入れ替えてスチールを狙い始めました。参加費10万円で、インマネしたら25〜30万円くらいになるので、周りのプレイヤーもかなりタイトに打ってたんですよね。なので、オープン頻度を多くし、カウンターが来るかどうか様子を見ながら、インマネを重視していそうなプレイヤーに対しては積極的にオールインを仕掛けていきました。2〜30回はプッシュオールインをしたと思います。バブル前のスタックは平均くらいだったのですが、バブルが終わる頃にはスタックもかなり増えていて、元のスタックの5倍ぐらいになっていました。

残り7人からFTが始まったのですが、そのうちSho君、GAKU君、くっすんさん、Sojiさん、自分の5人が見知った仲で、お互いがお互いのことを強いプレイヤーだと認識していたと思います。全員ICMを理解しておりスタックもあまり差がなかったので、残り7人になってからが相当長かったですね。プライズの傾斜もキツくて、FTでもかなりICMが効いてました。

大きく流れが変わった場面はどのような流れだったのでしょうか?

UTGからA8sでオープンしたら、BBのくっすんさんが8bbくらいのリレイズオールインを被せてきました。スタックもカバーしているし、8bbのオールインなので、さすがにコールだなーと思い勝負を受けたら、QQが出てきました。「やっちまった〜」と思っていたら、フロップでフラッシュ完成!そのまま捲られることもなく、無事に持ちこたえました。

このハンドで自分は勢いに乗れましたが、ブラインドが上がり、ショートスタックのプレイヤーが多くなりプリフロップでオールインせざるを得ない状況になっていました。ここがFTで大きく流れが変わった局面だったと思います。

ヘッズアップはいかがでしたか?

最後はSojiさんとヘッズアップでしたが、このトーナメントで一番キツイ戦いでした。Platinumは18時始まりで、ヘッズアップが始まったのが朝の6時くらいだったので、体力気力ともにキツかったですね。こちらが約60bb持ち、Sojiさんが約50bb持ちのディープスタックで始まったのですが、序盤はボード運が無く、Sojiさんに攻め込まれてチップをかなり減らしてしまいました。1:2くらいのスタック差まで削られていたと思います。

長丁場の戦いだったので自分もかなり疲れていましたが、Sojiさんも体力の限界のように見えたので、途中からアグレッションを上げて攻めることにしました。それまで2bbオープンかリンプインで固定していましたが、2.5bb〜3bbオープンも織り混ぜて、少しずつ巻き返していき、お互いに同じくらいのスタックまで戻しました。

大きくチップが動いたのはどのような場面だったのでしょうか?

BTNの69s持ちの状況で3bbのオープンレイズをしたところ、Sojiさんがコール。フロップはK87レインボーでした。オープンエンドのドローがついたので、33%程のC-Betを打ったところ、Sojiさんから大きめのにチェックレイズを返されました。

コールしたところターンでラグが落ちて、Sojiさんがチェックしたので、ポット150%のオールインをしたところ、Sojiさんがフォールド。この1ハンドでチップ量で逆転することができました。

素晴らしいプレーですね。どのような読み・思考だったのでしょうか?

チェックレイズされた時の思考ですが、K87レインボーのフロップでチェックレイズするハンドは、大きくバリューに寄っているか、ブラフに寄っているかに分かれると考えていました。

もちろんヘッズアップなので、K持ちでのチェックレイズや8持ち等、中程度の強さのハンドでのチェックレイズも考えられますが、Sojiさんのような上手いプレイヤーは、このシチュエーションのチェックレイズにブラフも混ぜてくるだろうと考えてフロップをコールしました。

ターンではラグが落ちてSojiさんがチェックしましたが、フロップでチェックレイズした強いハンドレンジは、ラグが落ちたらもう1発ベットするのがセオリーのシチュエーションだと思います。

そこでチェックしたということは、相当強いレンジは少ないだろうと考えました。もしフロップでセットやKの強キッカーだったら、プリフロップで3Betに寄ると思いますし、K8やK7、87などの2ペアもターンでBetすると思います。

なので、Sojiさんのハンドはかなり弱い方のレンジに寄っていると考えました。一方こちらのハンドは現状オープンエンドドローもあるし、ポットもかなり膨らんだ状況だったので、このハンドで勝てたらかなり有利なスタック差を作れると考えて、オールインで降ろしに行くプレーを選択しました。

あとでSojiさんにハンドを聞いたら、65持ちで、下のオープンエンドだったそうです。 もしかしたらコールされて、ここで優勝が決まっていたかもしれません。

ナイスプレーですね!その後は大きく逆転されることなく優勝したのでしょうか?

そうですね。徐々にスタックを削っていきました。最後はSojiさんがショートスタックの状態でA8でオープンしたのに対して、僕がQ9sでプッシュしました。フロップは555か666だったと思います。同じのが3つ出て、ターンはラグ、リバーでQが出て勝ちました。

タフな戦いでしたが、Sojiさんのような上手いプレイヤーにヘッズアップで勝ててよかったです。あと、Sho君やGAKU君には絶対に負けたくなかったので、しっかり分からせた上での優勝はとても嬉しかったですね。

長丁場でも勝ち切れる体力や集中力が素晴らしいですね。プライズの使い道は決まっているのでしょうか?

WSOPで使うつもりですが、約500万円分のプライズでおそらく使いきれないと思うので、APTやAPPTなどのアジア圏の大会で使おうと考えています。

今年はWSOPにも参加されたようですが、結果はいかがでしたか?

WSOPに初めて参加したのは去年で、今年は2回目の参加でした。初参加の時はメインイベントに出たり、参加費が高いトーナメントにいくつか出ました。そのうちMillion Doller Bountyはディープランできて、バウンティと賞金合わせて500万円程になりました。

今年はブレスレットが獲りたかったので、ブレスレットイベントにたくさん出場して、試行回数を増やす作戦に出ました。結果、18日間の滞在で10インマネできましたが、上位1〜5%でほとんど飛んでしまいましたね。FTなど優勝に近づく事自体、相当難しいです。

直近の目標は、WSOPのブレスレットを獲ることと、APTのタイトルを獲ることなので、どのトーナメントでも優勝に向けて一直線に戦いたいと思います。

3週間も海外に行けることが羨ましいです。(笑) ちなみに、海外大会に参加するにあたり、スケジュール調整や仕事の調整が必須になると思いますが、仕事とポーカーをどのように両立しているのでしょうか?

先に「WSOPに3週間行く!」と決めてから、なんとかしてますね。なんとかしようと思えばなんとかできます!

僕は不動産関係の仕事をやっていてそれなりに忙しいのですが、WSOPでブレスレットが獲りたいので、『WSOPに行くためにはどうしたらいいのか?仕事に支障が出ないようにするにはどうすればよいのか?』を考えて、なんとかしてます!まあ、日本に帰ってきてからしわ寄せで死にかけましたけども。(笑)

「仕事が忙しいから海外大会に出れない」ではなく、「海外大会に出たいから仕事をなんとかする!」という考え方ですね。大変参考になります。 WSOPなどの海外のメジャーな大会を経験したことで、心境やプレイスタイル等何か変化はありましたか?

日本と海外、どちらでポーカーをしても「相手が適正な頻度から外れていたり、スキを見せたところをエクスプロイトする」というプレイスタイルを変えることはないのですが、 心境の部分で言うと、海外の$1,500以下のトーナメントに参加しているようなプレイヤーはハンドレンジもアクションもめちゃくちゃなことが多いので、エクスプロイトの難しさを感じましたね。

逆に、日本のプレイヤーはレンジもプレイラインもキレイですし、勉強されている方が多いと感じます。少し自信があるくらいの方には負けないと思いますが、深く勉強されている方とはタフな戦いになります。強いプレイヤーと戦うのは楽しいですけどね。

ポーカーの勉強に使っているツールなどはありますか?

基本的な戦略や考え方は本で勉強しました。翻訳されて日本で売られている本はほとんど全て読みましたし、いいなと思った本は2〜3回読み返すこともあります。 あとは、GTO Wizardを使っています。プレーの判断に迷った時に後から振り返るために使ったり、プレーの引き出しを増やすために使っています。

ポーカーの勉強に使っているツールなどはありますか?

やらないですね〜。ブレスレットやタイトルをとりたくて海外に行っているので、キャッシュゲームは一切やらないです。

なるほど、トナメ優勝が第一目標なのですね!ぜひWSOPのブレスレットやAPTのトロフィーを獲っていただきたいです!

トモユキさん、改めてJOPT Platinum優勝おめでとうございます!お仕事もポーカーも全力投球されているトモユキさんのお話を聞いて、私も大変刺激を受けました!インタビューさせていただき、ありがとうございました!

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